ヨーロッパではクリスマスカードを送りあう習慣があるそうですが、クリスマスカードの発祥というと?
クリスマスカードはイギリスで行われていた「クリスマスワークス」が起源だったという説が有力ですね。「クリスマスワークス」は、子供たちが冬休みに入る前に学校の授業で両親に一年間の感謝を込めた絵や手紙を送るというもので、それがクリスマスカードに発展したのではないかと言われています。また、アジアでは昔から年末年始にカードを送りあう習慣があったので、その影響も受けているのではないかと言われています。
日本での年賀状ですね。
はい。クリスマスは1月6日まで続くので、昔のクリスマスカードは「クリスマスおめでとう」だけではなく「新年おめでとう」と年始の挨拶の意味も込めて送っていました。
クリスマスカードが盛んになったのはいつ頃でしょうか?
19世紀の終わり頃には庶民の間にも広まっていました。それ以前は郵便料金が高かったので貴族のような高貴な身分の人たちしか送れなかったのですが、近代郵便制度が確立して、普通の人でも低価格でカードを送れるようになり、一気に発展したと言われています。同時に印刷技術も発展し、市販のかわいいデザインのクリスマスカードが多く普及したことでより一層クリスマスカードが人々のあいだに浸透しました。現在は、クリスマスカードは特別料金になっていて通常の郵便より価格が安くなりますし、クリスマス前の決まった時期にカードの受付をして、クリスマス当日に届けるという「クリスマス郵便」のサービスがあります。このあたりも日本の年賀状と似ていますね。
カードの絵柄の定番というと?
流行り廃りはありますが、定番なのは、豚や、クリスマスアイテムと俗に言われるパターン化された図案ですね。フィンランドだと麦わらが描かれていることが多いです。束にした麦わらを庭に立てたり、麦わらで作った馬を飾ったり、麦わらを使ったものがフィンランドは多いです。麦わらも豚と同じで豊穣の象徴ですね。ヒンメリというフィンランド独特のクリスマス飾りがありますが、これも麦わらを使って作られています。