フィンランドにはサンタクロースがいますね。
サンタクロースのことをフィンランドではヨウルプッキといいます。ヨウルプッキとは直訳すると「クリスマスの山羊」になります。
何故「クリスマスの山羊」がサンタクロースになったのでしょう?
これはヨウルの習慣が由来しています。ヨウルのとき“クリスマスの来訪者”と呼ばれる二人組が各家庭を回るのですが、その二人組の一人が角の生えたお面をつけて、山羊のような鬼のような、秋田のなまはげのような格好をしていたんです。そのお面からクリスマスに訪れる二人組をヨウルプッキと呼ぶようになったのですが、元々、お面をつけたほうは悪い子にお仕置きをする役で、もう一人が良い子にしていた子にギフトを送る役でした。しかし、せっかくのクリスマスにお仕置きをするのはかわいそうだということで、クリスマスに良い子にしていた子にプレゼントをあげる、ギフトブリンガーのことを総じてヨウルプッキと呼ぶようになり、今のサンタクロースになりました。
サンタクロースには妖精トントゥの存在も欠かせません。
フィンランドはムーミンが有名ですが、森の中に様々な妖精が住んでいるというのが、民間伝承としてあります。トントゥは、いたずらをしたら怒る、でも困ったときには助けてくれる、そういう妖精です。
トントゥはサンタクロースをお手伝いする役割なんですよね?
実は、トントゥはサンタクロースの原型といわれているんです。トントゥは赤い帽子に赤い服を着ているのですが、それをもとに北欧の人が描いた絵が現在のサンタクロースのビジュアルの元だといわれています。このようにサンタクロースとトントゥが同じような存在になってしまったので、サンタクロースとトントゥの役割分担をさせようと、次第にトントゥはサンタクロースを助けるスタッフとして扱われるようになりました。フィンランドでは子供にトントゥの格好をさせてクリスマスを迎えます。トントゥは昔も今も慕われていて、クリスマスカードに使用されたり、クリスマスの飾りのモチーフになったりしていますね。